3/23被告人質問④


<浜口さん事件について>
井上から、新実と一緒に新幹線で大阪へ行くよう指示があった
新幹線内では、これから何をするかなど聞かなかった
大阪へ到着後、車であちこちを見てまわった
具体的には、住宅街や会社の駐車場など
車の調達方法は忘れた
何をしているか分からないけど、いなくなった信徒を探したりしているのかなと思っていた
新実から、大阪道場で山形をピックアップしてからホテルコンソルトで待つよう言われ、新実と別れた
指示通りに行動し、ホテルコンソルトに到着したのは21時〜22時ころ
山形と二人でロビーで待っていたが、誰も来ないのでコンビニで弁当を買って食べ、それでも来ないので部屋を取って寝ていた
数時間後、明け方近くに起こされて目を覚ますと、新実、井上、H、山形、中川が部屋にいた

彼らはどんな様子だったか?
主に井上と中川が話していて、「公安のスパイのような人がいるので、また神通力をやる。ワゴン車を運転して。」と地図を見せられた
ルートや一方通行、駐車する場所を確認していたら、中川から「柔道家は足が遅いでしょ?」と話しかけられた
突然話を振られ、「そうそう」と答えた
この話の前後の文脈はわからない
また、山形が「具合が悪い、熱が出ている」と発言をして、中川くんが元気づけている場面を見た
現代の医療体制では助かるとか、ポアという言葉を聞いたか?
聞いていない

その後、全員で車で移動して、予定の場所に停車させた
時間は、朝の通勤時間帯だったと思う
酸素ボンベを見たか?
見たような気がする
証言台より高さのある円筒型で、車のギアのあたりに積んでいた
それが何なのかは聞いていない
到着後、Hと井上がトランシーバーを持って降りた
新実と山形はジャージでウォーミングアップしていた
その後、山形が誰かに追いかけられているのを、中川と私は呆然と見ていた
中川がホテルへ帰るよう言い、中川は車を降りていった
一人で部屋で待機していたら、中川、新実、山形が戻ってきた
山形が「間違えて針を刺してしまった」という旨の発言をした
その後、新実と二人で和定食を食べに外出した
おそらく二人きりだったが、はっきりしない
食事を済ませてホテルへ戻ったら、井上が帰ってきた
井上が「会社へ出勤していないようだ」と言い、撤収の指示を出した
部屋に付着した指紋を拭き取り、車で京都方面へ向かった
途中で誰かが「物を燃やしたい」と言い、灯油を買った
河原で中川が燃やしに行った
その後自分は今川の家に戻った

中川から、VXが付着したので注射を打ってほしいと頼まれた記憶はあるか?
たぶん大阪の事件の後、小林よしのりさんを狙って見張りをやっていた時に頼まれた
場所についての記憶はない
中川の様子はどうだったか?
苦しんだりしておらず、切羽詰まっているような感じもなかった
自分が「ちょっと無理だな」と答えたら、中川に「じゃあいいです」と言われた

一連のVX事件の前、井上から「中川のところへ行き注射の練習をするように」と指示があり、山形と一緒に、上九の中川が居住しているところにいった
中川から簡単な説明を受け、「できそうですか?」と聞かれた
少し考えて「やっぱり無理だな」と答えたら、「じゃあいいや」と言われた
その時は、断ってもよい雰囲気で、中川の注射の打ち方の説明も適当だった
「やってみますか?」という感じ

<永岡さん事件について>
井上から「一滴たらす」という指示があった
山形と新実が実行する予定だったが、新実は永岡さんに顔を知られているので出来ないという話になった
ほかに顔を知られていないのは自分だけ
井上から実行するよう指示された
このやりとりはいつの時点で?
自分の印象では土壇場、実行前のワゴン車の中の中で行われた印象
差し入れ資料を見たら、今川での会話という記載があった
今はどちらかというと今川での会話だったという印象

山形のサポート役をすることになった
現場までの車の運転はしていない
誰が運転したかは覚えていない
乗車したのは、新実、山形、井上、H、自分
車は2台使ったかもしれない
現場に到着後、山形と車で待機していた
トランシーバーで「出てきた」と連絡があり、大きめの黒い傘を持って山形と二人で車から出た
自分は永岡さんの背後に立った
山形が「注射の入った袋が開かない」と言ったので、自分が開けた
山形が注射を取り出し、永岡さんにかけた
かけた後、さしていた傘を倒して、顔を隠した
その瞬間、変な匂いがした気がした
注射に針はついていたか?
多分ついていなかった
車に戻り、新実に変な匂いがしたことを言った
匂いは、薬臭い感じ
体調には変化がなかった
どうして新実に言ったのか?
ただ報告として言っただけ
新実から「騒ぐな」と言われ、井上から「心配ならAHIに行けば?」と言われた
念のため、AHIへ行った
車で20~30分だったと思う
山形も一緒に向かい、PAM注射を受けた
PAMを受けないと死んだり、重い障害があると思ったか?
思っていません
永岡さん事件の前の2人がどうなっているか知っていたか?
知らなかったと思います
永岡さん事件が起きた1995年頭頃、ポアが殺人の意味を持つことを知っていた?
知らなかった

<仮谷事件について>
1995年2月の仮谷事件のころは、日々あいかわらず運転のワークをしていた
距離は多分月1万キロくらい
睡眠時間は4時間前後
慢性的に睡眠不足の状態

2/27夕方はどこにいたか?
ワゴン車を運転して目黒にいた
乗っていたのは井上
ロータリーの邪魔にならないところに駐車した
そのころはすでに外は暗くなっていた気がする
中村昇とI・Hが車に乗り込んできて、井上と話をしていた
会話の途中で一度だけ話しかけられた
井上から「我々、忙しいですよね」と言われた
その時になんのテーマで話をしていたかは分からない
会話していた時間は10分弱
その後I・Hが降りていった
井上と中村を乗せて目黒通りまで運転した
そこで2人が車から出ていった
10~15分後に2人が戻ってきた
何をしてきたのかはわからない
その後どうしたかは記憶にない

翌日の2/28は、今川で寝ていたら朝井上に起こされた
井上から「行方が分からない信徒がいる。居場所を知っている人を連れて来る手伝いをしてほしい。ボディガードがついているけど、中村君の指示で動いてほしい」と言われた
信徒が誰を指すのか分からなかった
どこに連れて来るのかもわからなかった
この指示を受けて、ワゴン車(デリカ)で現場に向かった
自分は運転しなかったが、誰が運転したのかは分からない
ワゴン車に乗ったのは、井上、中村、H、中川、自分
中村、H、中川の3名は、自分が寝ている間に今川に来ていた
中川がいる理由については聞いていない

前日に行ったあたりの場所に到着
井上から、中村と自分はギャランに移るよう指示された
ギャラン内には自分と中村以外に、I・Yがいた
運転は平田信だったかもしれない
待機している間、平田信は肩に背負うカメラを担いで通行人に向けたりしていた
現場に向かう途中、それがレーザー銃だと教えられた

自分がこれから何をするのか分かっていたか?
ボディガードを排除することかなーと思っていたが、方法は知らなかった
中村から、目標の人が来た時のその人に対して3人の立ち位置を指示された
また、その人の風貌を教えられ、出て来たら報告するように言われた
立ち位置は、私が右でI・Yが左、中村が後ろと聞いた
レーザー銃は科学技術省で作られた物だった
平田信が「通行人の目に当ててみたけど、なんの効果もない」と言っていた

デリカからギャランに移った後、再度デリカに移ったことはあるか?
ない
全員で集まったことはあるか?
ない
どういう方法でその人を連れて行くか考えたか?
一応は考えた
腕をがっつり掴んで浮かして、歩いてもらってもいいけど、それで車に乗せる
注射をして寝かせるとかは考えていない
中川は何をしに来たと思っていたか?
考えていなかった、メンバーの一員と思っていただけ

その後聞いていたような風貌の人が出て来たので、中村に「あの人じゃないですか?」と言った
中村がその人を駅まで追跡したが違っていたらしく、ギャランに戻ってきた
だいぶ時間が経ってから中村が「あの人だ」と言ったので、指示された立ち位置についた
突然中村が「おぉぉぉぉ」と声をあげ、その人にタックルした
仮谷さんは転んだ
自分も中村の行動にびっくりして転びかけた
そこにデリカが停まったので、仮谷さんの脚を持って押し込んだ
押し込む際にドアが開かなかったので、自分が「車を前に出して」と言った
その後、自分もデリカに乗り込んだ
デリカ車内には、自分と中川、H、中村、I・Y、仮谷さんがいた

はじめに井上から手伝いをしてくれと言われたとき、何をすると思っていた?
その人と取っ組み合い、もみ合いになるのではないかと思っていた
はじめは仮谷さん本人を相手にすることは考えていなかったかもしれない
レーザー銃が使えないと分かってからは自分の役割がとても曖昧になっていた
中村の指示も、対象が仮谷さんなのかボディガードなのかはっきりしなかった
ただ、指示通りに動くことを考えていた
中村に「もっとはっきり教えて下さい」などと聞くことはできなかった?
普段のワークでもそのような質問をすることはなかったし、間近になれば具体的な動きの指示があると思っていた

仮谷さんは車に乗る時に「助けて」と叫んだが、そのあと「わかった、もう騒がない」と言った
仮谷さんの額から血が出ていたので、Hがネクタイで止血していた
車内で中川が脚に注射をしていたのを見た
なんの注射か分からなかったが、じきに眠ったので、眠らせるものだと思った
運転は松本くんだった
ひと気のない緑の多い公園の脇に車を停めた
そこで車の窓のあたりにある点滴が仮谷さんの腕に刺さっているのをみた
指示があり、中川、Hとともに別の車(セダン、マークⅡ?)に乗り換えた
東名で上九に向かった