3/24被告人質問④


<1995年5月からの17年間について>


爆発物事件の後、北村などとともに永福から小金井のアパートへ移った
しかし、ひっそりと潜むには適さない場所だったため、一晩のみ宿泊した
その時点で逮捕状が出ていたが、出頭しようとは思わなかった
それが井上の指示だったので、麻原の意思だと思った
一言では言い難く、うまく言えないが、根底には修行だという認識があった
小金井のアパートを出た後は住居が借りられず、北村とともにサウナ等を泊まり歩いた
結局林泰男の指示で、YZが所沢にアパートを借りて、そこに一緒に住んだ
6畳ワンルームに、MS・北村・私・YZ・TGが住んだ
その後TGと入れ替わりで菊地直子が住み始めた
生活資金は主にYZが稼いでいて、月15万円くらいで生活していた
食事はいわゆるオウム食に近いもの、ご飯、野菜煮、豆腐、納豆などを食べていた
そこでは少し自分なりの修行をしていた
一連の事件について考えたり、教義を理解しようとしたり、本を読んでいた
オウム以外の本も読んだ
ほかの人は、瞑想や経典を読んで過ごしていた
中には、オウム以外の本を読んでいる人もいた
所沢での生活は半年~1年位
その後そこにはいられなくなって、各自でそこを出た
いられなくなった理由は、精神的に不安定になったYZが家に帰ってこないなどの問題が発生したため
自分は菊地と一緒に出て、ホテルなどを泊まり歩き、最後は1997年末頃に川崎へ移った
川崎は私が働いていた会社の寮
仕事は現場プラント関係の労働作業員で、櫻井信哉という名前で働いていた
菊地は櫻井千鶴子という名前で倉庫関係の仕事をしていた

偽名なりすましのきっかけは、区役所でこの名前の2人が手続きしているのを盗み見したこと
給料は日給1万2千円で、生活はできた
会社の人から身元を疑われることはなかった
誰からも手配写真についての追及がなかった
菊地についても、そういったことはなかった
最初の半年~1年は、手配写真が貼ってある所の前を通らないなど、色々気にして生活していた
しかし、派出所やおまわりさんとすれ違っても大丈夫だったので、写真と自分はそんなに似ていないのではないかと思い始めた
そして、全く事件を忘れたわけではないが、緊張した生活から解放されていった
はじめは櫻井という名前を呼ばれたら気をつけて返事をするようにしていたが、それが自然になっていった
プラントに仕事では色々なところへ行かされるが、長くいたのは石油プラントの作業員
2003年~2004年に仕事を変えて、ごみ焼却所の作業員になった
1つ目の仕事で溶接を覚え、2つ目の仕事では溶接工として働いた
その後、菊地とともに川崎市内で別のアパートに移った
菊地は途中でそのアパートを出て行った

会社内で自分の生い立ちを語る場面などなかったか?
寮付きの会社ではそういう話にはなりにくいが、時々あった
かなり本当のことを言っていた
逃走中にほかのオウム関係者と連絡を取ったことはない
アーレフは知っているが、連絡はない
逃走中にどのような本を読んでいたか?
チベット密教系、カルロス・カスタネダの本、中沢新一の本などを買いあさっていた
オウムの教義がどのような意味合いを持っていたのか、あの事件はどうだったのか、ほかの人はどう言っているのか、対応する教義があるのか知りたかった
事件について思い起こすことはあったか?
時たま報道は見たが、思い起こすことはなかった
事件についての記憶は薄れて行った
逮捕時には、記憶の程度はかなり薄く、不正確だった
また、ずっと桜井信哉だったため、高橋克也の名前に反応しづらかった
逮捕後数ヶ月間は署名を書く際も櫻井と書きそうになったり、名前を呼ばれても一拍置いてから気づくような感じだった
数か月が経って、だんだん記憶が整理され、ポツリポツリと思いだすようになっていった
間違って覚えていたことが、弁護士の質問によって間違いだと気付いたり、差し入れしてもらった資料を読んだりしていた

~検察官質問~

逮捕から資料差し入れまでは半年あったが、その間には何も思い出さなかったのか?
そんなことはなくて、取り調べの際にも記憶が呼び起こされたりしていた
黙秘していたため、それを検事や刑事に伝えることはなかった

CHSに入るきっかけは何だったのか?
省庁制の前から、上からの指示で井上担当のドライバーをやっていた
その流れでCHSに入ることになった
盗聴の対象は?
下向した信徒の居場所を知るためだった
井上から盗聴の目的の説明はあった
不法侵入については?
はじめは広島の三菱に1~2度侵入した
その際は自分は侵入せず、車の中で見張りをしていた
実際に侵入したのは井上とHS
彼らは何かの資料を持ってきていた
そういう話をしていたのを聞いていたので、レーザー関係の資料だったのではないかと思う
岐阜大学に侵入した際も、自分は見張りをやっていた
そこでは何かの金株を持ち出したのだと思う
それが何だったかは知らないし聞いていない
省庁制が導入されたあと、川崎の会社に侵入した際には自分も中に入った
キャビネットに入ったファイルを持ってきた
井上からやることを端的に説明されていた
目的やなんのための行為かは聞いていないし、考えていない
井上の独断だとは考えていない

<VX事件について>
神通力がVXの隠語だとわかっていたのか?
わかっていたが、面と向かって説明を受けたのではないと思う
VXについての麻原の説法を聞いたのはいつ?
水野さん事件の前か後かわからない
事件の前に聞いていた気もする
VX事件後のステージ昇格はどうしてだと思った?
考えなかった
ステージ昇格が水野さん事件の褒美だと思わなかった?
ステージ昇格は褒美として与えられるものではない
何か非合法活動と関係しているのではないかと思わなかった?
思わなかった


終了